新型コロナウィルスが話題になっています。潜伏期間も最大で24日という説があり、「もしかして自分も感染しているのでは」と心配になっている方も多いでしょう。以下、2020年2月10日時点での情報をベースにして書いています。

質問を受けました

ところで、子どもからこのような質問を受けました。「どうして日本では新型コロナウィルスの人を捕まえておけないの?」確かに、最初の検査のところでは検査拒否の人もいましたし、「捕まえておく」つまりは一般人と隔離するというのは人権の制限を伴うので、そう簡単にできることではありません。ただ、初動を間違うと感染症は瞬く間に蔓延し、国民・国家の危機に陥ってしまいます。個人の人権の制限と、公共の福祉との、どうバランスをとるのかという問題ですね。

日本は法治国家

法律や、政令、規則などなど、無数の決まりのもとで、日本という国は動いています。ある強権を発動させて、市民生活の自由を制限するというのは根拠なしにできるわけではなく、明確に法律などの根拠を踏まえた上で、必要最小限にされなければいけません。法制度の違う他の国では、もっと一気に色々強硬手段を取れるのかもしれませんが。
冒頭の子どもへの質問対応は「自分が病気になった側になってごらん。自由じゃなくなるのは嫌でしょう。でも、他の人にうつすとみんなが困るよね。自分と、他の人と、両方を大事にしながら感染症対応をするために、感染症法と呼ばれている法律があるよ!」と答えたわけです。さて、ではその法律って何なのでしょう。ちょっと見てみましょう。

感染症についての法律

感染症についての法律は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」があります。
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=410AC0000000114#D
この法律では、エボラ出血熱をはじめとする感染症について、就業制限などの規定を設けています。感染症の種類に関しては、下記のサイトの図の説明が分かりやすいです。
http://www.seirogan.co.jp/fun/infection-control/infection/japan.html
つまり、普段私たちが感染症と呼んでいるものの中で、パンデミックの危険性があるとか、致死率が高いなどの危険な感染症を、法律で分類、指定して、対策を定めているというわけです。

新型コロナウィルスは何類感染症になるの?→「指定感染症」

2020年1月28日に、新型コロナウイルスによる肺炎について、感染症法に基づく「指定感染症」と検疫法の「検疫感染症」に指定する政令が閣議決定されました。「指定感染症」は「一~三類および新型インフルエンザ等感染症に分類されない既知の感染症の中で、一~三類に準じた対応の必要が生じた感染症(政令で指定、1年限定)」とされています。ちなみにもう一つ、「新感染症」という分類もあり、そちらも政令で指定されるようにはなっていますが、一類感染症と同じ対応をとることになっているので、かなり重篤な感染症を想定されているものと思います。

公式の情報を収集しよう

厚生労働省が報道関係者向けに発表しているページは、以下の通り。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09418.html
新形コロナウィルスに関する検査で、独自の対応をとっている大阪府のページ
http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/corona-denwa.html
地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所(相談窓口などの案内あり)
http://www.iph.osaka.jp/li/070/20200206161132.html
京都府
https://www.pref.kyoto.jp/kentai/news/novelcoronavirus.html

ネット上の出所のよくわからないデマを信じる前に、まずは公式発表でどこまで何が報じられているのかよく読んでみることをお勧めします。

余談

もう少し初期の流行段階から、私は色々ウォッチしていました。日本に住んでいる人が日本でマスクをたくさん買って、海外の友達に高値(と言っても友情が壊れない程度の)売るというパターンもSNSで目にしたことはあります。転売はネット上で行われるだけ、ではありません。メルカリやヤフオク!などでいくら制限しても、そのような相対取引については制限するのは難しいと思われます。貴重なマスクを正しく使いたいものです。

観光業などのみなさまへ

新型コロナウィルスのあおりで、売り上げが減少したなどという場合の対策について、京都府から新しい発表がありましたので、次の記事でご紹介します。